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日本では「発達障害」という用語が比較的定着してきています。発達障害という概念が内包しているのは、ASD(自閉症スペクトラム障害、アスペルガー症候群)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、LD(学習障害)、知的障害です。いずれも神経学的な基板に何らかの不調を抱えていることが原因となって生じている障害であるという事情から「発達障害」とひとくくりに捉えられています。ちなみに欧米では、あまり「発達障害」に当たる言葉でくくらずに、単にADHDとかASDという扱い方をするケースがほとんどです。
ここで私が問題と感じているのは、「発達障害」と呼ばれる症状があまりにも多様である点にあります。さらに問題であるのは、場合によっては同じ発達障害でも正反対の性質を備えている個人が存在する点です。では、どのような個人が正反対であるといえるのか?
例えば、①孤立型のASDの成人と、②積極奇異型のASD及びADHDの成人は、状況によっては真逆の性質を持っているといえます。孤立型のASDはなるべく一人で淡々と一つの仕事に取り組みたい。一方、積極奇異型のASDの成人であればいろいろと人と関わりながら仕事をしたいと希望するだろうし、ADHDの成人であれば色々な作業を行ったり来たりしたいと希望するかもしれません。このような孤立型ASD、ADHDの「仕事のやり方に関する好み」を図に示すと次のようになると私は捉えています。比較として典型発達(発達障害ではない人)を図に含めています。
このように個別具体的に特性を捉えていくと、同じ「発達障害」とくくられていても、正反対の特性をもっているとして捉えることができます。また、図を見ると分かる通り「仕事のやり方に関する好み」に関しては、発達障害同士(孤立型ASDとADHD)よりも、孤立型ASD&典型発達の組合せ、ADHD&典型発達の組合せ、の方が性質として近いことがわかります。
そして、発達障害に関連する活動をしている個人はとても多様です。当事者コミュニティを作っている発達障害の当事者。教育を行っている典型発達の人・発達障害当事者の人・発達障害の疑いのある人。発達障害やその疑いのある子どもを育てている保護者(もしかしたら保護者も特性をもっている場合があるかもしれません)、etc。
ちなみに私が自分自身と最も近い性質は「孤立型のASD」だと思っています。ですから私自身に発達障害的な性質があるからといって、ADHD的な発達障害のある子どもを「自分と同じような発達障害の性質を持っている」と考えるのはとてもまずい結果を招く場合があるわけです。あくまでも個別具体的に、その子どもが経験している世界を想定しながら対応を計画していく必要があります。
従って、発達障害に関連する活動を行う際には、自分自身とはまったく正反対の性質を持っているケースを仮定しながら、必要に応じて視点や考え方を真逆にしながら対応していくことが必要となるでしょう。そしてこのような対応をしていくことの必要性そのものを周知していく必要があるのだと私は考えています。
▼告知
わたくし荒川はクエストスクールという家庭教師の会社の共同代表を務めております。個性を自立力にするための授業計画を実施していきます。どうぞよろしくお願いいたしします。
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- クエストスクールという家庭教師をやっています。 個性を自立力にするための家庭教師クエストスクール http://quest-school.com/
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