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発達障害やその傾向のあるお子さんには、独特の認知の偏りを生まれつき持っていることが多いようです。例えばうちの子(5才)に関しては、
- 何かをしようと声をかける際に、「いつ」を言い忘れると「今すぐに」と解釈します。
- 「公園に行こうよ」と誘うと、「絶対に公園に行け」と命令されたと解釈します。
- 自分の気分がイライラするようなことが起きると「いじわるされた」と解釈します。
そういう解釈が連続して生じるため、「公園に行こうよ」と父が誘ったら「いじわる!」と叫んでふてくされるようなことが起こります。この記事では、最近のわが家の対処法をまとめてみます。
対処1:「いつ」を必ず伝えるようにする
彼は、【何かをしようと声をかける際に、「いつ」を言い忘れると「今すぐに」と解釈】する傾向があるので、「いつ」のことなのか努めて伝えるようにします。例として、
- 今やっていることが終わったら〜〜しよう
- ご飯が食べ終わったら〜〜しよう
- おフロに入った後に〜〜しよう
のような要領です。口頭で伝えて理解しにくいこの場合(うちの3才の娘がそうです)、以下のような絵を見せながら口頭で伝えると理解しやすくなります。
絵の説明
- ご飯のあとに、
- テレビを見て、
- テレビが終わったら、保育園に行くよ
と伝えるために、朝に利用しているものです。発達障害の有無に関係なく、言葉を理解し始めた幼児にも有効な手法です。
対処2:誰でもカン違いすることがあるよ、と時々説明しておく
彼は、【「公園に行こうよ」と誘われると「絶対に公園に行け」と命令されたと解釈】する傾向があります。なぜそう解釈していると分かるかというと、彼は必ず「絶対、〜〜しなきゃいけないわけ!?」と突っかかって来るからです。そういう時の対応は以下のような感じになります。
父:パパ、「絶対やって」なんて言った?
子:言ってないね
父:だよね。それはきみがカン違いして考えたことなんじゃないかな
そんな感じでカン違いを指摘します。また、彼が落ち着いている場面で「カン違いをストップする」「怒らないで話をする」ことそれぞれに対して5円のお小遣いポイント(※)を付けることを話し合って決めました。ルール化しておくと、彼も話し合いに応じやすくなります。
※学校では教えてくれないお金の教育:自立力とやる気を育てるお小遣いプログラム
対処3:その都度、カン違いを指摘する(失敗といじわるは違うことを説明しておく)
自分の「カン違い」を自覚するというのはけっこう難しいです。カン違いをしている人はカン違いに気がついていません。自分の見え方が正しい、真実である、と考えています。しかし、実際は、自分の考えや味方とは異なった事実がある。このような状況が「カン違いしている状態」といえます。これをどうやって子どもに伝えて理解をしてもらうか。
その方法としては、日頃から辛抱強く続けていって、本人の腑に落ちる時を待つ、という他にやり方はありません。例えばわが家であれば先日こんなやりとりがありました。
子:ママが幼稚園にぼくのカサを忘れてきちゃったよ。イジワルだよね。(`Д´)
父:え?忘れ物するのはイジワルとは言わないよ。きみだって忘れ物することあるでしょ?例えば、幼稚園に出す手紙を出し忘れるとか。そういう時って、きみはママにイジワルしてやろうと思って忘れてるの?
子:そんなことないね。(`・ω・´)
父:そうでしょ?誰だって忘れ物するときに、誰かにいじわるしてやろうなんて考えないよ。ママがカサを忘れてきたのだってそうだよ。今、きみは「カン違い」したってことだよね。
子:そうだね。(`・ω・´)
こんな要領で、日頃から「カン違い」というものが生じていることを指摘していきます。このようにすることによって「自分はカン違いをするものなのだ」ということを少しずつ自覚するように促していきます。
まとめ
自分がイライラする状況になった時の認知のデフォルト(初期設定)が「いじわるされた」というのは、かなりキツいハンディキャップだというのが私の考えです。このような認知があると、不要な恨みを蓄積していって被害的になっていってしまう恐れが高いです。なるべく早い段階から、毎日コツコツと対応を続けていくことが大切です。
クエストスクールでも、お子さんの状況に応じて、日頃必要な関わりの仕方を親御さんにお伝えしています。
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- クエストスクールという家庭教師をやっています。 個性を自立力にするための家庭教師クエストスクール http://quest-school.com/
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