子育て・発達障害界隈は言葉が混乱しまくってて相互に誤解が生じているってことない?

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荒川 泰之
クエストスクールという家庭教師をやっています。 個性を自立力にするための家庭教師クエストスクール http://quest-school.com/

子育てや発達障害に関する記事や本やコメントや会話に接していると、人によって同じ言葉でも定義が異なっていると感じる場面に遭遇することがしばしばあります。もしかしたら私自身がかなり言葉の定義を広く設定する傾向(定義がブレると言う意味ではなく)があるのでなおさらなのかもしれません。以下に、定義や捉え方が食い違っていることが多い言葉についてリストアップしてみました。

1:「褒める」のバリエーション

褒めるという言葉も非常に幅広い捉えられ方をしています。私の場合は褒めるという言葉をほとんど応用行動分析でいう「強化する」とほとんど同義に捉えてきていたことを最近改めて自覚しました。ですが「褒める」と「強化」は結構違っているので違いをまとめると、

褒める=「すごい」と伝える(他に「すごい」に準じる言葉として、いいね、などなど多数)

強化する=「すごい」と伝える(これは上記と同じ)、「今やっていることは大事なことだね」と伝える、「おぉ!」と驚きの声を上げる、「惜しいー!」とリアクションする、何かポジティブなリアクションを見せる、拍手する、ハイタッチ・握手する、シールやお小遣いをあげる、好きなお菓子をあげる、ゲームなど好きな活動をさせてあげる、などなど(他には自動強化というものもありますが割愛)

また、「褒めるのが大事だ」といったときに、何を褒めるべきかについても認識がばらついています。人によっては、まったく褒めるところが見つからないという人から、何でもかんでも許容しているという人までいます。

応用行動分析の話で言えば例えばシェイピングという手法があって、未熟な行動が成熟していけるようにサポートしながら強化します。何をどのように強化するか、というのは慣れるまでは見極めが難しいです。人によって、何に強化されるか、いつなら強化されやすいか、が全く異なっていることも難しさの要因です。強化はある意味、教育の初歩にして奥義のようなところがあると感じています。

2:個性、障害、特性

このあたりの言葉も非常に捉え方がばらついているように感じています。私の定義の仕方が広いこともありますが、私自身かなり他者との定義の食い違いにつまづきます。私の定義は以下のとおり。

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特性の中に、個性(性格)、体や脳の性質が含まれている。さらに個性(性格)の中に、障害・短所、長所、といったものが混ざって含まれている。脳や体の性質の中にも、障害・短所、長所、といったものが混ざって含まれている(追記)。そういう定義になっています。

例えば先日伺った、花風社の講演の中で「障害は個性なんですかね?」というフレーズが出てきて、私の定義では「障害は個性です」となるのですが、どうやらその文脈の中では「個性=好ましい性質」「障害=好ましくない性質」という暗黙の定義があるようでした。

念のため辞書的な定義も調べた所、

【個性】

1:他の人とちがった、その人特有の性質・性格。個人の特性。 「―的な人」
2:個体に特有の性質。

参照先:Google

ということで、辞書的な定義では個性という言葉には、その性質の「好ましさ」は含まれていないようです。とはいっても、言葉は生き物ですので時間とともに定義も書き換えられていきます。今後は私自身の定義も、主流となっている定義に書き換えられていくかもしれません。

※追記:「短所を有効活用する」や「短所は長所の裏返し」のような見方を導入していくと更に難しくなります。

3:叱る

叱るも非常に幅広い捉え方をしているようです。私の定義では、どちらかというと「たしなめる」とか「スポーツにおけるペナルティ」という意味合いが強いです。また、基本的に「次からどうするのがいい?」(代替行動の提示)ということとセットになっています。また、必要に応じてコミック会話を利用します。ペナルティとしては貯金箱からお小遣いの5円分を没収するというものがあります。

一般的な「叱る」の暗黙の定義に多いと感じているのは、「痛い目をみせて、同じことを繰り返さないようにすること」です。そして「痛い目を見せる=叱る」ということになっている気がしています。そして同じ失敗が繰り返された場合に、「痛い目」がどんどん強まっていって、結果的に悪循環になるような不幸なケースもあります。叱るの定義には他にも色々ありそうです。

他にも、言葉の定義問題は探して行ったらきりがないと思います。話の通じなさに気がついたら、言葉の定義について確認しあっていく必要があるかもしれません。中高生や発達障害の人に「言葉の定義に関する暗黙のルール」を伝えるとすれば、

  • 言葉の定義は人によって異なっている場合がある。
  • 言葉は生き物なので必ずしも辞書的な定義だけに限って使われない場合がある。
  • 意味が食い違っていると感じるときには、「それってどういう定義ですか?」と怒らないで丁寧に尋ねる。

となるでしょうか。

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