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自分の子供に自閉症スペクトラムという発達障害があることがわかり、認めたくない気持ちや、そのうち治るだろうと期待する気持ちを残しつつも、前に進もうと決意しました。
自閉症を診断された時、「自分の子供がどんな人生を送るのか」という未来が予測できないことが、親として一番の恐怖でした。一生、話すことがないかもしれない、施設で暮らすことになるのでは、など、次から次へと最悪のシナリオが頭に浮かんできます。
ですが、マイナスの想像をしてばかりで行動を起こさなければ、鬱々とし、出口の見えないトンネルに迷い込むだけです。
不安な気持ちを残しつつも建設的な行動をすることが、誰にとっても一番良い結果につながると思います。
周囲に話す
療育を始める前に、私は子供の状態を、周囲に話すことにしました。
もちろん、見ず知らずの人や、誰もかれもに話す必要はありませんが、信じている人や大切な友人には打ち明けました。
自閉症について知識のない人には、障害をまとめてあるサイトを教えたり、「光とともに」という自閉症を題材とした漫画を渡して読んでもらいました。
親しい友人は、私の子供が自閉症だからといって、私から離れていくようなことはありませんでした。むしろ、そんな困難に立ち向かっていく私に、とても優しく親切にしてくれました。
今でも忘れられないのが、高校時代の親友に電話をして、子供の障害を打ち明けたときのことです。私の話を聞いた彼女はとても驚いた様子で、落ち込んでいる私になんと声をかけようか迷っている様子でしたが、しばらくして「私は子供がいないからわからないけど、そういう子供の悩みって、みんなあるんだと思うよ」といって、身の上話をしてくれました。
彼女のお姉さんは、中学時代にとても荒れていて、暴走族やら不良やらといった類の悪さをし、親や家族を困らせていたようです。その時に彼女の母親は「いっそ障害のある子に生まれてきてくれたほうが良かった」と、泣きながら呟いたそうです。
この話は少し極端ですが、子供を持つのはいつだって賭けのようなものです。障害のある子が生まれることだってあるし、不良に育つことだってあります。
厳しいけれど、それが現実です。
とにかく、自分がとても辛い状況で、大変な思いをしているということを話したので、気持ちが楽になりました。後々にも言えることですが、自分を偽らずに正直に生きていれば、周りの人は手を差し伸べてくれます。そして、昔からの友人とも、新しくできたママ友とも、本当の付き合いを楽しむことができるはずです。
問題を整理する
その当時、我が子は2歳を数か月過ぎた頃でした。周りの子は既に2語文を話しているのに、私の子供は単語すら言えませんでした。全く発音しなかったわけではありません。指さしをして、電車を「えあ」、バナナは「バ」など、好きなものに対して、一部分のみ発音することはできました。ですが、「ちょうだい」や「やって」などの要求する言葉を発することはなく、何かやってほしいことがあると、私の手を取りその物の上に置くという、いわゆるクレーンの動作でコミュニケーションを図っていました。
また、自閉症児ならではの非常に強いこだわりも、かなりのストレスになっていました。
例えば石。散歩へ出ても植え込みに石があると、そこから30分は動きません。手を引っ張って無理に移動をさせようとすると、強い癇癪を起しました。そのままパニックになってしまうこともありました。
DVDを見せても同じものをひたすら見ました。興味の幅を広げてあげようと思い、違う物に変えると泣き喚きました。
何かにこだわるのは良い場合もあります。「こだわりがなければ大きなことを成し遂げられない」などと言う人もいます。ですが、意味もない強すぎるこだわりは生活に支障をきたします。これは介入しなければなりません。
当面、「言語によるコミュニケーションの獲得」と、「癇癪やこだわりなどの問題行動を減らすこと」を目的として、療育を開始することにしました。
ちなみに、当時ある医師から「このまま話をすることがないかもしれません」と言われた我が子は、現在、楽しそうに小学校(普通級)に通い、100点のテストを持って帰ってくる時もあります。
将来へ向けてまだまだ問題はありますが、あの時希望を捨てないで、療育を始めて本当によかったです。
この記事を書いた人

- 小学生の発達障害児を持つ母。子供が2歳の頃からABA【応用行動分析】を中心とした早期療育に取り組む。普通とはちょっと違う我が子が、社会で楽しく暮らしていけるように応援する毎日。子供が社会に溶け込むためには、まずは自分が社会と繋がっていないと…そのための自分磨きもバッチリ。
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