ABAで言葉を増やす -発達障がいの子供を抱える親ができること-

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Sally

小学生の発達障害児を持つ母。子供が2歳の頃からABA【応用行動分析】を中心とした早期療育に取り組む。普通とはちょっと違う我が子が、社会で楽しく暮らしていけるように応援する毎日。子供が社会に溶け込むためには、まずは自分が社会と繋がっていないと…そのための自分磨きもバッチリ。

自閉症スペクトラムの我が子が、最初の言葉「ジューー!…ス」(ジュースのこと)を発してから、ほんの数日でジュースに関しては安定して欲求を伝えることができるようになりました。ただ、サ行はまだ上手く発音できないようで、「ス」はかすかにしか聞き取れません。ですが、言葉で要求を伝えることができるようになっただけでも大進歩です。

他の強化子でも挑戦しました。とにかく石が大好きだったので、ホームセンターで砂利石を購入して散歩の際に多めに持って出かけます。出かける場所は石の無い場所です。

「これなーんだ?」といって石をみせて「いし」とモデリングします。「い…い…シ」と頑張って真似しました。最初のうちは、話そうとしている姿勢だけでも評価し「上手だよ!頑張ってる」という声掛けと共に石を渡して強化します。そして徐々にステップアップしていきました。

我が子は、「話すのは大変だけれども、頑張って話したら何かいいことが起こる」と理解しはじめたようでした。

大事なことは、強化子は普段は簡単に手に入れさせてはいけません。頑張った時、ここぞという時のみに使うのが効果的です。

 

ママと言わせる

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たいていの子は、2歳になる前に「ママ」「お母さん」など、母の呼称を口にします。

私も早く「ママ」と呼んでほしかったのですが、呼ばなくてもいつも近くにいる「ママ」は、呼ぶほど価値のある言葉ではありません。強化子として“弱い”からです。

ですが、一日の中で我が子がどうしてもママを呼びたい、近くに来てほしい、と欲求する時間を見つけました。

それは寝起きの時です。我が子は、夜は全然寝付かないくせに朝は早起きで、5時前に目覚めます。私は普段、一日中子供に翻弄され疲れ果てていて、子供と一緒に起きることができませんでした。

我が子は寝ている私のところに来て「だー」「あー」などと発しながら私の手を引張り起こそうとします。そこで私は自分の胸に手を当てながら「ママ」とモデリングしました。最初のうちはモデリングするために私が起きてしまうので強化子にならず、うまく行きませんでしたが、それを数日繰り返してからモデリングするのをやめて、ずっと寝たふりを続けました。「だー」「あー」という声を聞きながら、腕も引っ張られて痛かったですが、反応せず寝たふりを続けました。どれくらい待ったでしょうか、ついに「ママ」と言いました。そして私は、この機を逃すものかと、1秒も経たないうちに起き上がり「ママって言えたね!すごいよ!」と褒めまくり、最大級の強化をしました。

それから、我が子は私を呼ぶときに「ママ」と発するようになったのですが、面白いことに私の真似をして胸に手を当てながら「ママ」と言います。おそらく私の呼称が「ママ」だと理解しておらず、この人は、胸に手を当てながら「ママ」と言えば来てくれるんだ、と理解したのだと思います。でも、それでも私は満足でした。本当のママの意味は、きっと後になってわかってくれると信じていました。

話は少し逸れますが、「ママ」の意味を解ってもらえないなど、自閉症の子供に呼称を教えるのは大変な仕事です。普通の子供なら一度で簡単に覚えるようなことを、こちらが驚いてしまうほど理解してもらえません。

例えばこんなエピソードがあります。

我が子がお風呂に入る際、まだ自分で服を脱ぐことができないので、いつも「バンザイして」といいながら、服を脱がせていました。ある日、私の友人が遊びに来て、我が子をあやすために「バンザイ」と言ったら、なぜか服を脱ごうとしたのです。バンザイは、洋服を脱ぐことだと理解していたようです。

当時のIQは50あるかどうか…といったところだと思いますが、100を超えて高機能自閉症に診断名が変わった現在でも、説明しなくてもわかるでしょ?ということを、いちいち細かく説明しないと理解してもらえません。自閉症の我が子は「一を聞いて十を知る」ことはなく、必ず十を説明しなければなりません。

また、この頃から、自分の力だけではなく、専門のセラピストに指導してもらいたいと思い、ABAのエージェンシーを探し始めました。それについてはまた次回に書きたいと思います。

この記事を書いた人

Sally
小学生の発達障害児を持つ母。子供が2歳の頃からABA【応用行動分析】を中心とした早期療育に取り組む。普通とはちょっと違う我が子が、社会で楽しく暮らしていけるように応援する毎日。子供が社会に溶け込むためには、まずは自分が社会と繋がっていないと…そのための自分磨きもバッチリ。