自分がADHDだと気づかないままケーキ屋でバイトしたドジっ子の話

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emma

一児の母。大学生の時のバイトでミスが多かったことや、 友人とのコミュニケーションがうまく取れないことをきっかけに、 自身に発達障害があるのではないかと疑いはじめる。 大学卒業後は就職できず、フリーター、契約社員など転職を繰り返し、 社会人6年目で軽度のAD/HDとの診断を受ける。 結婚を機に仕事を辞め、翌年出産。 現在はライター業やネットショップの運営など、 家でできる仕事に徹している。

 「人間だから失敗して当たり前、失敗しない人なんていない」

 

そう教わって生きてきました。ADHDのことを知るまでは───。

 

なぜか仕事の覚えが悪い

私は18歳で進学のために上京し、生活費を稼ぐためにアルバイトを始めました。都内の駅の構内にあるケーキ屋です。ケーキがタダで食べられそうだと思ったことと、自宅の最寄駅から電車で乗り換えなしで行けるところにあるという理由で選びました。

面接の後、採用されて早速アルバイトを始めました。初めてのアルバイトに不安もありましたが、楽しんで仕事がしたいという気持ちの方が勝っていました。

ところが、1ヶ月も経たないうちに180度気持ちが変わりました。

「辞めたい、辞めたい」

私があまりにも仕事を覚えられず、先輩の社員からネチネチと叱られる日々が続きました。この時の私は若さゆえに自分は悪くないと思っていました。仕事を覚えられないのは若いから、これから要領を得て慣れていけばすんなりと覚えられる。この社員は、まだ18の学生にどうしてこんなにつらく当たるのだろう。きっと性格が悪い人に違いない。仕事以外では絶対に関わりたくない!

信じられないかもしれませんが当時の私は本気でそう考えていました。

とはいえ、覚えた仕事やミスして注意を受けたことを、その時はちゃんと覚えたつもりなのに、時間が経つと忘れてしまうので、自分でも「どうしてすぐに忘れてしまうのだろう」と情けない気持ちになったものです。

 

同期の女性に先を越される

アルバイトを始めた当初は週に2回程度の勤務でしたが、生活費を稼がなければいけなかったので、勤務日数をもっと増やしてほしいと店長に相談しました。「うん、わかった」と言ってくれたので期待して翌月のシフト表を見ました。

大変失望しました。自分の勤務日数はほぼ変わらず、むしろ同時期に入った20代前半の女性の方が勤務時間も日数も多かったのです。とても屈辱的な気持ちになりました。自分の頑張りが認められてもらっていない。辞めたいけど、生活がかかっているから続けるしかない。そんな気持ちで毎日を過ごしていました。

また、私がアルバイトした店舗では、新人は注文を受けたらケーキを箱詰めするだけで、その後の会計は先輩社員に任せることになっていて、仕事に慣れてきた頃に先輩がレジの使い方を教えてくれるのが通例でした。

アルバイトを始めて3ヶ月が経った頃、仕事もだいぶ慣れてきてそろそろ先輩に頼らず、自分でレジ打ちがしたいと思うようになりました。先述した同時期に入った女性も、その頃には自分でレジを打てるようになっていたので、そろそろ自分にも教えてほしいとも思っていたのです。

私が仕事でのミスが多いからレジ打ちを教えてくれないのは明白でした。でもいつまでも新人扱いされるのは嫌だったので、勇気を出して先輩社員にお話ししました。

「レジの使い方を教えてください」

先輩の返事は期待を大きく裏切るものでした。

「いいえ、まだ教えられません」

 

強い劣等感を抱くようになる

「どうして自分だけ…」とても落ち込みました。

どうして自分は認めてもらえないのだろう。どうして仕事を任せてもらえないのだろう。私なりに頑張っているつもりなのに…。

その後1ヶ月も経たないうちにレジの使い方を教えられ、自分の勤務日数や勤務時間も徐々に増えていきました。たまに失敗することはあったものの、新人の頃に比べれば目立ったミスもなく、職場の方たちともプライベートでご飯を食べに行くなどして、だいぶ溶け込んでいくことができました。

ケーキ屋のアルバイトは7ヶ月続けました。

その後、私は知人の紹介で、憧れのテーマパークでアルバイトをすることになります。

ケーキ屋ではつらい経験をしたけれど、新境地では絶対にそんなことはしないと思っていました。それ以上のつらい思いをしなければならないなんて、当時は考えもしませんでした。

この記事を書いた人

emma
一児の母。大学生の時のバイトでミスが多かったことや、
友人とのコミュニケーションがうまく取れないことをきっかけに、
自身に発達障害があるのではないかと疑いはじめる。
大学卒業後は就職できず、フリーター、契約社員など転職を繰り返し、
社会人6年目で軽度のAD/HDとの診断を受ける。
結婚を機に仕事を辞め、翌年出産。
現在はライター業やネットショップの運営など、
家でできる仕事に徹している。