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2歳を数か月過ぎても発語がなかった息子は、ABAによる介入のおかげで、驚くほど短期間で言語を習得することができました。苦手な言葉を頑張って話すことで、その結果良いことがあるという仕組みを理解してきたようです。
【DTTセラピーをやってみる】
以前にもお話ししましたが、ABAにはいくつか種類があり、代表的なものがDTT(Discrete Trial Training)です。ロヴァース博士が提案したのでロヴァース法とも言われています。ABAの基本となる療育手法で『NPO法人つみきの会』(http://www.tsumiki.org/)では、ABAの中でも特にこの手法を推奨しています。
この方法は、主に子供と一対一で、机を挟み椅子に座り、向かい合って行います。
ですから、まずは椅子に座れるようにならなければなりません。そのまま座ってセラーピーを続けていくので、椅子に座り続けることが必要になってきます。
また、ロヴァース法ではお菓子が強化子として使われることが多いように思います。
<DTTセラピーの一例> まずは椅子に座ることを目標とする
◎パターン1
私「座って」・・・指示
子供(椅子に座れた場合)・・・行動
私「すごーい!!できたね」(言いながらお菓子のかけらを渡す)・・・結果
◎パターン2
私「座って」・・・指示
子供(椅子に座れなかった場合)・・・行動
私(無表情、無視、反応しない)・・・結果
◎パターン3
私「座って」・・・指示
その直後(数秒以内)に
プロンプト(身体的介入、つまり椅子に)をして子供を椅子に座らせる
私「すごーい!!できたね」(言いながらお菓子のかけらを渡す)・・・結果
解説
解説ですが、パターン1のように、指示を出したことに対して望ましい行動が出来ていれば問題ありません。結果としてそのまま強化をします。
パターン2だった場合。望ましい行動が出来ていないのですから、絶対に強化をしてはいけません。ベストな対応は無視(無表情)です。このように、望ましくない行動に反応しないことを「消去する」と言います。
大事なのはパターン3です。指示に対して望ましい行動を教えるのがABAです。強化をすることで行動を教えたいのですから、指示を出した後に失敗させてはいけません。「座って」の指示の直後に身体的介入(手助け)で強引にでも座らせて、「座れたね!偉いね!」という褒め言葉と同時に、お菓子などの強化子を渡します。
このことで子供は<座って、と言われて椅子に座ったら、何かいいことがある>と理解します。「座って」の意味がまだ理解できていない場合は「座って」と言われたら、<この四角い台のような所にお尻を付ければいいのだな>と理解します。
この様に、ABAは一つ一つの行動を擦り込んで教えていきます。
また、最近では企業などで<コンプライアンス>という言葉が幅広く使われるようになってきましたが、ABAでは出された指示に従えることを<コンプライアンスが良い>と言います。発達障害の子どもにとって、コンプライアンスを良くすることはとても重要で、セラピーの進度に大きく影響します。
「座って」の指示がきけるようになったら「真似して」と言う指示でバンザイをしたり、おなかをポンポン叩いて模倣をさせたりと、セラピーを進化させていきます。
【 親のセラピーには限界がある】
私の場合ですが、自分の子供を何時間も机の前に座らせて、親である私がセラピーをすることが、正直とても大変でした。セラピーに必用な知識を身に付けたり、セラピーに必用なカード作り、強化子の用意、進捗状況のチェックを行わなければなりませんし、ただでさえ大変な状況なのに、セラピーによって親も子供もストレスが溜まり悪循環な結果となってしまいました。
私は、生活のなかでABAを行いたかったので、親である私がABAを取り入れる際はDTTはほとんどせず、PRTによる療育手法で、自然な形でのABAセラピーを行いました。
ですが、DTTのセラピーも受けさせたい。どうにか専門のセラピストにお願いできないかと、ABAエージェンシーを探し始めることにしました。
この記事を書いた人

- 小学生の発達障害児を持つ母。子供が2歳の頃からABA【応用行動分析】を中心とした早期療育に取り組む。普通とはちょっと違う我が子が、社会で楽しく暮らしていけるように応援する毎日。子供が社会に溶け込むためには、まずは自分が社会と繋がっていないと…そのための自分磨きもバッチリ。
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One thought on “DTTセラピー -発達障がいの子供を抱える親ができること-”