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ADHDの診断を受けた時、胸のつかえがとれたような、ずっと不安定だった気持ちが少しずつ安定していくことに気づきました。「自分はADHDかもしれない」と、何年も疑い続けていた問題が解決したのですから、無理もありません。 ADHDの診断を受けた今は、自分の向き不向きの仕事について考えるようになり、自分にはできない仕事や向いてない作業は避けるようになりました。 しかし、もし自分がADHDの診断を受けずにいたらどうなっていたでしょうか。
転職を繰り返した過去
過去の記事にも書いたとおり、私はパソコンを使ってデータ入力をする仕事をしていたことがありました。黙々と続ける作業が好きだったことと、パソコンのスキルを身に付けられると思ったからです。ところが、入社して間もない頃から、私の仕事に対するやる気とは反対にミスばかりが目立ち、同僚からの信頼を失い、自分に振られてくる仕事の量はどんどん減らされていきました。職場の雰囲気がどんどん悪くなり、自分の居場所がないと気づいて会社を辞めましたが、当時の私はADHDの診断を受けておらず、「職種を変えれば自分に向いている仕事があるかもしれない」と思い、全くの異業界に営業アシスタントとして転職しました。
転職先でもまた失敗
営業アシスタントなら、外回りの営業のサポートだから、前職のデータ入力程の正確さは求められていないだろうと考えたのです。 でも、ミスはたびたび起こりました。 電話の取次ぎ方を間違えたり、外勤の営業から依頼されたことを聞き間違えて違う作業をしてしまったりと、単純なミスを何度となく繰り返すようになったのです。
「あぁ、ここでもダメだった…」
何年も前から頭の隅で覚えていた「ADHD」という言葉を思い出し、この時で初めて診断を受けようと思ったのです。予約してから診断を受けるまでに数か月も待つことが嫌で今まで病院に行こうと思いませんでしたが、このときやっと受診しようと決心しました。なぜもっと早く受診しなかったのか、今となっては悔やんでも悔やみきれません。
診断を受けていなかったら、転職を繰り返していたかも
ADHDを疑い始めて診断を受けるまで、およそ8年かかりました。もしその後、ADHDを疑いながらも、診断を受けていなかったら、おそらく転職を繰り返していたことでしょう。仕事がうまく行かないのは「向いてなかったから」と言い訳したこともありましたし、人間関係がうまく行かなかったら「職場の上司や先輩に恵まれなかった。尊敬できなかった」と他人のせいにするなどして、自分に何らかの原因がある事実から目を背けていたこともありました。
それでも、仕事が続かない自分に嫌気がさしていて「また仕事変わったの?」と周りから言われるのがとても恥ずかく感じていました。そろそろひとつの職場で落ち着きたいと思っていた頃にADHDの診断を受けました。自分がADHDだとわかった今、仕事をコロコロと変えてしまうのはADHDの特徴で仕方のないことと割り切れるようになりました。
また、臨機応変な対応が求められる接客の仕事やミスが許されない事務職も、自分にはできないことなのだとわかったので、もし今後、会社員として仕事をすることになったときは、自分にできる仕事かどうかをよく考えて決めたいと思います。
ADHDを疑う人に対して、専門医による診断を勧めるのにはこうした理由があるからです。 今までの失敗や辛い経験は自分の性格の問題ではなく、発達障害が原因だと割り切れることで、どれだけ気持ちが軽くなったことでしょう。幼少期を除き、診断を受けるのは少しでも早いに越したことはありません。ましてや子どものうちから診断を受けていれば、自分の適性に合った仕事を探せるし、向いてない仕事を続けて周りに迷惑をかけたり、自分自身の体調を崩したりすることもないと思います。
この記事を書いた人

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一児の母。大学生の時のバイトでミスが多かったことや、
友人とのコミュニケーションがうまく取れないことをきっかけに、
自身に発達障害があるのではないかと疑いはじめる。
大学卒業後は就職できず、フリーター、契約社員など転職を繰り返し、
社会人6年目で軽度のAD/HDとの診断を受ける。
結婚を機に仕事を辞め、翌年出産。
現在はライター業やネットショップの運営など、
家でできる仕事に徹している。
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発達障害の診断を受けた30代男です。自分も数知れないほど職場で失敗を繰り返し、数知れないほど転職を繰り返しました。ビジネス書を何冊も購入してはそれを実践しようと試みたのですがことごとく失敗。そもそも相手の話をや指示をきちんと理解できないので上手くいくはずがなかったのです。そこで私が下した決断はemmaさんのようにフリーで生きることでした。現在はデイトレーダーとして生きています。このblogは凄い為になりました。フリーはで生きる道は凄い勇気がいりましたし、まだ生活できるほど稼げていませんが光るものは感じてます。私の意見ですが発達障害者の持つ特性は所変われば”障害”ではなく”特殊能力”として生きるのではないかと思ってます。
読ませていただき、母の私も胸のつかえが落ちました。
娘が24歳にしてADHDの診断を受けました。就活が上手くいかないストレスからの睡眠障害。しんどいんだろうとは思っていたものの、実はもっとしんどかったのに気づいてやれなくて。
今はまだ娘は自分の障害について受け入れてはいないようですが、少しは心は晴れたみたいです。
でも、「ADHDだから…」という理由で何でも片付けるのは良くないんですね。
これから、娘は自分自身と上手く付き合って欲しいと願っています。