自閉症対応の幼稚園の体験レビュー:期待と違った「統合クラス」

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Sally

小学生の発達障害児を持つ母。子供が2歳の頃からABA【応用行動分析】を中心とした早期療育に取り組む。普通とはちょっと違う我が子が、社会で楽しく暮らしていけるように応援する毎日。子供が社会に溶け込むためには、まずは自分が社会と繋がっていないと…そのための自分磨きもバッチリ。

武蔵野東幼稚園の保育治療クラスの願書の出願は、一般の幼稚園より1ヶ月くらい早い時期に行われました。9月頃には入園のための募集説明会がありますが、それ以前に何度か見学に行くことをおすすめします。実際、面接の時に、「見学は何回来ましたか?」「その際はご両親お揃いで来ましたか?」という質問がありました。

また、願書提出までに『自閉的傾向が認められる旨の医師の診断書』もしくは『愛の手帳』が必要となりますので、受験を検討している方は、早めの準備が必要です。ちなみに、願書に書く項目は以下の4つ。

①志望動機

②学園を見学して感じたこと

③この学園を知った理由

④面接にあたり、あらかじめ伝えておいたほうがよいと思うこと。(生育歴や家庭状況など)

我が子は結果的にこの学園を途中で退園してしまったので、この学園をお勧めするかと聞かれると困ってしまいますが、もしこの幼稚園に入園してみたいのであれば、以下のことはアピールしたほうがいいと思います。

・発達障害者支援法などの法改正により、公立の保育園、幼稚園、学校などでも特別支援教育が整備されるなか、なぜこの学園を選んだのか

・武蔵野東高等専修学校を卒業するまで、一貫してこの学園に通う意思があること

・混合教育と生活療法について理解していること

・世の中には様々な療育があるなかで、東幼稚園の療育方針や、今までの経験による指導を信頼し、任せること

面接は、3名程度の学園の先生と、我が子と両親で行われました。子供は椅子に座ることができなかったり、ぐずった場合は別室で他の先生と待機になります。おそらく、受験した9割以上の家庭が両親そろって面接に来ていたと思います。

ちなみに当時、我が子は民間の療育機関でABAを行っており、そちらの先生の指導をとても信頼していましたが、とりあえずこの幼稚園に入ってみたい気持ちや、この幼稚園のために引越ししてきたのだから今更受験をやめられない等の事情から、ABAの療育の先生には黙ってこちらの幼稚園を受験しました。見学したかぎり、ABAの基本方針とは違う考え方も多く、相談したらこちらの幼稚園の受験を止められるだろうと思ったからです。

 

入園後に分かった、予想外のこと

保育治療クラスの自閉症児は、高機能自閉症やアスペルガータイプの知的な発達の遅れのない子供から、愛の手帳で2度~3度の知的障害も併発しているカナータイプの子供までいましたが、私が見る限りは、全体的に程度の軽い子供が多く見られました。

そして子供たちは、幼稚園の経験による判断で、健常児たちとの関わりの時間を決定されます。

<統合>といって一日中健常児クラスで過ごす子もいますし、<部分統合>といって、一日のうちのある一定の時間だけ健常児のクラスで過ごす子もいます。統合と部分統合に出ている子が、だいたい保育治療クラスの半分くらいだったでしょうか…。その他の子供は週に1回1時間程度、健常児のクラスで過ごしますが、休み時間などは一斉に過ごすので、交わろうと思えば交わることは可能です。

 

私にとって見当違いだったことは「我が子は最低でも部分統合くらいはさせてもらえるだろう」という予測でした。入ってみて驚いたのは、思いのほか高機能なタイプが多かったことです。健常児と何が違うの?と思うような軽い子までいました。(その子は実際に小学校から健常児として過ごしているようですが…)

我が子が完全統合や部分統合に出られると思っていたので、健常児との交わりも、普通の幼稚園と同じくらいできるだろうと考えていました。ですが実際には、週に1度1時間程度以外は、基本的に自閉症児の中で過ごすことになったのは予想外でした。私と同じように予想外だった親御さんは多かったようで、治療クラスのママ友達とランチをする際には、この話が上がることが多かったように思います。

このことについて、主治医やABAのセラピストからは、生活の参考になるような子供達と接する時間を長くとったほうがいいと言われ、園にも相談しましたが、園からの回答は、一貫して「貴重なご意見ありがとうございます」「園の経験で判断しています」でした。

障害の程度が重い軽い、だけでなく、高機能自閉症の中でもタイプが分かれます。コミュニケーションに積極的だけれども多動な子、消極的でぼーっとしているので迷惑はかけないが人と話せない子など、その子その子によって違いがあります。

その中で、幼稚園が統合に出すと判断していたのは、どちらかというと<消極的だけどぼーっとしているタイプ>が多かったように思います。

わが子のように、高機能であっても、多動でじっとしていられないタイプは、統合には程遠く、むしろIQが低めでも、席に座っていられる、というだけで統合の時間数の多い子もいました。

なので、そのような子にはこの幼稚園は合っているのかもしれません。(統合に出られる可能性が高くなるということです)

 

親のタイプが違えば、自分の子どもに与える教育も違ってくる

親御さんのタイプも様々で、とにかく幼稚園を信じて幼稚園の教育方針についていく人もいれば、私のように最新の知見を知りたがり、色々な療育を試したいタイプもいます。

ただ、自分自身で療育を組み立てていきたい人は、この幼稚園には向いていません。

また、費用の面ですが、公立幼稚園~公立高校までかかるお金と、東幼稚園から東高等専修学校まで一貫して通った場合の費用を概算で計算しました。結果は、東で一貫で通わせると1000万円以上も費用が必要であることがわかりました。

1000万円あるなら、東を辞めて、そのお金で自分の意見もくんでくれる最新の知見を勉強しているセラピストの療育機関で療育をさせようと決めたのでした。

ただ、うつになっている親御さん、自分自身でどうやって子供を育てていいかわからない、等幼稚園にお任せしたい人には、園の独特の方針ではありますが手厚く見てもらえるので、合っている方もいると思います。

結果的に、我が子は退園することになりました。

「統合に出るために頑張っている」ことに気づいたからです。目的を見失っている自分に気づきました。

子供の将来の明るい未来を目指しているはずが、いつのまにか「統合に出ること」が目的となっていました。

ならば、いっそのこと最初から統合の環境で見てくれる園に転園して、本来の目的である、我が子の明るい未来のために療育を進めていこうと決めました。

 

園の特色

毎日プランノートを書く事や、毎月個人教育目標を設定してくれること、個別指導があることなど、他の幼稚園にはない特色もありました。

プランノートを毎日書くのは、私は結構辛かったです。本当の気持ちばかり書いているわけではなかったからです。とにかく統合に出たくて、家ではこんなに家庭療育をしています、というアピールや、幼稚園では統合に出られなかったので、毎日近所の公園で違う幼稚園の健常児を見つけて遊ぶようにしています、ということも書いてあり、久々に読み返して笑ってしまいました。

先生からの返事は、2週間に一度あるかないかだったので、一方的に家庭の様子を書いているだけでした。

ここの幼稚園ではバス通園だったので、その後、徒歩通園の幼稚園に転園した時に、毎日先生と顔を合わせて今日あったことを直接言い合えることで、充分こと足りると思います。

ただ、毎日プランノートに書く事で、気持ちの整理をできていた親御さんもいたのかもしれません。本音で書いていれば、ちゃんとした日記にもなったのかもしれません。

ちなみに、このノートは年度の最後に回収されてしまうので、自分でコピーして保存しました。

この記事を書いた人

Sally
小学生の発達障害児を持つ母。子供が2歳の頃からABA【応用行動分析】を中心とした早期療育に取り組む。普通とはちょっと違う我が子が、社会で楽しく暮らしていけるように応援する毎日。子供が社会に溶け込むためには、まずは自分が社会と繋がっていないと…そのための自分磨きもバッチリ。